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ろ材分析

Filter media analysis

分析事業部 ≪計量証明登録番号  第10422号≫

全国の浄水場にて施工してきた安心と信頼の実績を基にろ材を分析します

弊社は長年、浄水場のろ過池、吸着池のろ材入替工事、更生工事を施工してきました。 この経験を基に計量証明事業(濃度)としてJWWA A103:2006/1988水道用濾材 、JWWA A114:2006水道用粒状活性炭 及びJIS K1474:2014活性炭試験法を遵守して各種ろ材の分析を行っております。

原子吸光光度計

原子吸光光度計

ロータップ式ふるい機

ロータップ式ふるい機

弊社は、ろ過池、吸着池のろ材入替工事、更生工事を施工した長年のノウハウを生かして試験内容の考察報告が可能です。

イオンクロマトグラフィー

イオンクロマトグラフィー

活性炭分析機器類

活性炭分析機器類

ろ過池、吸着池の一括した調査業務(サンプリング、計測~分析~報告)を請け負えます。

弊社は計量証明事業登録(濃度)を受けた事業所、及び第三者機関としての分析試験が可能です。

計量証明書

​計量証明事業登録証

試験・分析例

分析結果表及び粒度加積曲線図を発行します。様式、宛先等ご都合により変更可能です。

また分析結果からのろ材、ろ過池等の評価も承ります。

例1
例2

主要取引先

・東京都水道局 様

・埼玉県営水道 様

・北千葉広域水道企業団 様

・神奈川県営水道 様

・横浜市水道局 様

・大阪広域水道企業団 様

・大阪市水道局 様

・阪神水道企業団 様

・尼崎市水道部 様

・神戸市水道局 様

・兵庫県県佐用町水道事業部 様

・和歌山県紀の川市水道部 様

・和歌山県岩出市上下水道局 様

・奈良県葛城市上下水道部 水道課 様

使用分析機器メーカー

・関西機器製作所

・ヤマト科学株式会社

・株式会社堀場製作所

・笠原理化工業株式会社

・株式会社 日立ハイテクサイエンス

・東ソー株式会社 バイオサイエンス事業部

・アズワン株式会社

・株式会社島津製作所

分析業務内容(分析可能項目)

● JWWA A103:2006 水道用濾材

物性(理化学)試験:洗浄濁度

    〃    :密度

    〃    :強熱減量

    〃    :摩滅率

    〃    :塩酸可溶率

  外観及び寸法 :外観

    〃    :均等係数(ふるい分け)

    〃    :有効径 (ふるい分け)

    〃    :60%粒径(ふるい分け)

    〃    :最大径 (ふるい分け)

    〃    :最小径 (ふるい分け)

   浸出性   :味

    〃    :臭気

    〃    :色度

    〃    :濁度

    〃    :鉄及びその化合物

    〃    :マンガン及びその化合物

● JWWA A114:2006 水道用粒状活性炭

  物性試験   :フェノール価

    〃    :ABS価

    〃    :メチレンブルー脱色力

    〃    :ヨウ素吸着性能

    〃    :pH値

    〃    :塩化物イオン

    〃    :電気伝導率

    〃    :強熱残分

    〃    :硬さ

    〃    :充填密度

   寸法    :均等係数

    〃    :有効径

   浸出性   :味

    〃    :臭気

    〃    :色度

    〃    :濁度

    〃    :鉄及びその化合物

    〃    :マンガン及びその化合物

● JWWA A103:1988 使用中のろ材

付着物試験:洗浄濁度

  〃  :濁度

  〃  :付着物

  〃  :過マンガン酸カリウム消費量

  〃  :強熱減量

  〃  :汚泥容積

  〃  :鉄

  〃  :マンガン

  〃  :アルミニウム

マッドボール試験

凝着物試験:塩酸可溶率

  〃  :鉄

  〃  :マンガン

  〃  :アルミニウム

● JIS K1474:2014 活性炭試験法

 吸着性能 :メチレンブルー吸着性能

 〃    :ヨウ素吸着性能

粒度

粒度分布 

有効径,均等係数及び平均粒径

 硬さ

充填密度

乾燥減量

強熱残分

pH

塩化物

亜鉛

カドミウム

ヒ素

● その他

流出試験(による重量変化率)

JIS M8812:揮発分

​活性炭

水道水を作るために必要な原水は河川、ダム湖、地下水と数種類有りますがとりわけ大都市部では湖からの河川(特に下流域)水が主となります。大都市部の湖や河川は富栄養化に伴う藻の大量発生、その藻が腐敗した後のカビ臭対策、水質の汚染対策として浄水では消毒用に塩素が多く投入されます。しかしこの塩素と河川水に含まれる有機物が結合し、発ガン性物質が生成されるという悪循環も生じます。これらの腐敗臭や発ガン性物質の除去、塩素投入量の減少を目的に高度浄水処理が生まれました。この高度浄水処理に活性炭が使用されています。

浄水場では粉末活性炭と粒状活性炭の2種類が使用されています。粉末活性炭は浄水過程の最初期に腐敗臭等の匂い取りに投入されます。粒状活性炭は水をろ過する前後付近で使用され、水に含まれるすべての物質の吸着除去(活性炭が吸着出来るサイズに限る)に使用されます。

当然のことながら日本水道協会(JWWA)は、活性炭に対する規格、水道用粒状活性炭(JWWA A114)、水道用粉末活性炭(JWWA K113)を制定しています。

水道用濾材(JWWA A103)と同じくこの規格はただの規格であり法律ではないので強制力は有りません。水道用濾材(JWWA A103)は強制力が無いにも関わらず100%の浄水場が採用していますが、活性炭(とりわけ高度浄水処理用粒状活性炭)は水道用粒状活性炭(JWWA A114)だけでなくJIS K1474:2014 活性炭試験法も採用している浄水場が多々あります。

活性炭もろ材と同じく「浄水又は浄水処理過程における水に接する資機材」なので技術基準省令が適用され、人の体に悪影響を及ぼす物質47種類の浸出試験を義務付けている浄水場がほとんどです。

JWWA A114 水道用粒状活性炭

現在浄水場で摘要されているのはJWWA A114:2006です。                                          JWWA A103:2006は新品のろ材に対しての規格ですがJWWA A103:1988だけには使用中のろ材の試験法が付録として記載されています。

JWWA A114:2006は粒状活性炭の品質を評価するための試験として①物性試験、②浸出試験、見た目を評価するための試験として③外観、寸法試験として定めています。これらの項目名はJWWA A103と同じですが内容が違います。

粒状活性炭はろ材と違って再利用しませんのでJWWA A103:1988(使用中のろ材)のような規格は有りません。(粒状活性炭は”再生”出来ますがその時もJWWA A114(新品用)の試験をします。)

① JWWA A114:2006 物性試験

⑴フェノール価

フェノールとは消毒液や樹脂等使用されてる化学物質で、劇物に指定されるような化学物質です。活性炭がこのフェノールをどれだけ吸着できるかを調べる試験です。フェノール価が小さいほど吸着性能が高いことを示します。

⑵ABS価

ABSとはAlkyl Benzene Sulfonate(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の略で合成洗剤の主成分で、河川等の汚染原因の一つとなっている化学物質です。この試験も数値が小さいほど吸着性能が高いことを示します。

⑶メチレンブルー脱色力

メチレンブルーはその名の通り青い色をしています。活性炭がどれくらい色素を吸着し水を透明に出来るかを調べる試験です。この試験は”脱色力”とあるように数値が大きいほどよいです。

⑷ヨウ素吸着性能

摂取しすぎても体から自動で排出される機能があるほどヨウ素は人間にとってなくてはならないミネラルです。しかし水中の有機物(メタン)と化学結合して発がん性物質であるトリハロメタンになります。ヨウ素吸着性能は活性炭に一番重要な性能です。

⑸pH値

蒸気賦活によって製造 した活性炭のpH値 は通常アルカリ性 をに偏ります。水道水は水質基準値としてpH5.8〜8.6と定められています。それに極力合すように活性炭のpH値は4.0~8.0と定めています。

⑹塩化物イオン

塩化物イオンもヨウ素同じハロゲン族なので水中の有機物(メタン)と化学結合して発がん性物質であるトリハロメタンになります。しかしこの試験は吸着性能ではなく活性炭内に初めからどれだけ含まれているかをを調べる試験です。初めから含まれている量が少ないと浄水処理時に沢山吸着出来るからです。

⑺電気伝導率

活性炭に不純物(電解質:電気を流す物質)が初めから多く存在(吸着)していると浄水処理で不純物を吸着出来ません。不純物が多いと電気伝導率は高くなります。規定値は900μS/cm以 下 です。 ちなみに水道水は多くて100μS/cm、塩やミネラルが多量に含まれる海水は10000μS/cm以上、イオン交換水(純水)は1μS/cm程度です。

⑻強熱残分

850℃前後で熱して燃え切るような不純物を飛ばします。強熱前後で重量差があり過ぎると不純物の多い活性炭となり良い品質とは言えません。10%以下が規定値です。

⑼硬さ

逆洗、空洗操作時、活性炭粒子同士は衝突し合います。硬さが低いと欠けたり、粉化する量が増加します。試験操作はJWWA A103:2006の摩滅率とよく似ており鋼球と一緒に振るって粉になった分を差し引いて硬さとして算出します。

⑽充填密度

規定の充填密度計測容器に活性炭を充填し充填密度を計測します。規定値は0.4g/ml以上となっています。充填密度が低いということは粒子同士が密集した時の空隙が大きいということを意味し、重力で下に水が落ちていく速度(透水度)が高くなるため活性炭と水が接触する時間が短くなり活性炭の吸着性能を発揮できなくなります。

② JWWA A114:2006 浸出試験

この浸出試験はJWWA A103 水道用濾材と項目、規定値共内容が全く同じですが一応書き記しておきます。

⑴味

そのままです。分析用語でいうと「官能評価法」という方法で味を分析します。「官能評価法」と書くと難しいと思いますがただの味見です。評価の仕方は「無味」や「味が強い」といったような味があるかないかを評価します。

⑵臭気

匂いを嗅ぎます。味と同じで匂いがあるかないかを評価します。

⑶色度

色度計で計ります。0.5度以下が規定です。

⑷濁度

濁度計で計ります。0.2度以下が規定です。

⑸鉄及びその化合物

原子吸光光度計という機器を用い、浸出液に抽出させた鉄成分を浸出液ごと高温(2300℃)で気化させて分析します。上限は0.03mg/ℓ以下です。

⑹マンガン及びその化合物

⑸と同じ方法で分析します。上限は0.005mg/ℓ以下です。

③ JWWA A114:2006 寸法

JWWA A103:2006は「外観・寸法」となっていますがJWWA A114には外観試験は存在しません。恐らく人間の目や光学顕微鏡レベルではただの真っ黒い粒にしか見えないからだと思われます。しかし走査電子顕微鏡で見ると直径500Åのマクロ孔~直径20Å以下のミクロ孔のような微細孔が確認できます。

※1Åオングストロームは100億分の1メートル(10-10m)、すなわち0.1nm

⑴ふるいわけ試験

篩振とう機、もしくは人力でろ材を網で篩って指定されたサイズに分けて粒度加積曲線図というグラフを作成し①有効径、

②均等係数を算出します。

有効径0.3~1.3、均等係数1.2~2.0が規定となっており、砂に比べると規定が緩いです。

JIS K1474:2014 活性炭試験法

JIS K1474:2014 活性炭試験法の中でも・気相吸着における吸着性能、・カラメル脱色性能、・発火点は浄水場では採用していないのでここには記載しません。またJWWA A114:2006と重複する吸着性能、充填密度、乾燥減量 、強熱残分 、pH 、 塩化物も重複するので省きます。

⑴寸法(粒度 、粒度分布、有効径、均等係数及び平均粒径)

ろ材と同じくふるい振とう機 と網を使用して篩分けを行い、網に残った質量からかく項目を算出します。

JIS K1474は工業用活性炭全般に対してに規格で様々な用途を想定して寸法の項目は沢山設定しているのだと思います。                                       JWWA A114:2006は有効径、均等係数のみで少なすぎるということで浄水場によってはこの”寸法”規格はJWWAではなくJISを採用することが有ります。

⑵鉄 、亜鉛 、カドミウム 、鉛 、ひ素

カドミウム 、鉛 、ひ素は人間の体に悪影響を与える有名な重金属です。

鉄 、亜鉛は体に必要な金属ですが普段の食生活で十分に摂取出来るのでこれらが活性炭に含まれており何らかの方法で人間の体内に吸収されると摂取過多になってしまうのでこのように制限を掛けています。                                       

分析方法は活性炭を酸性溶液(塩酸、硝酸酸性)で煮沸し、分析目的成分を抽出させた溶液を分析機械(当社は原子吸光光度計)で分析します。ひ素は原子吸光光度計で分析出来ないのでジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法で分析します。

以上が浄水場が行う活性炭に対する試験となります。

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